笹嶋工業株式会社100周年

笹嶋工業株式会社
代表取締役　笹嶋 明人

弊社は、大正８年（1919年）に初代 笹嶋佐久馬が京都の「米安工業」で学んだ電気工事の知識を活かし、旧東石黒村に戻り「笹嶋電気工業所」を立ち上げたことから始まりました。まだ戦争も起こりうる時代、混沌とした時代の中で数名の社員と共に力を合わせての一歩でした。当時の社員はヘルメットや安全帯等の装備は充分では無く、ねじり鉢巻きや簡易ロープを使い、己の体力と知識と度胸で仕事に臨み、実績を積み上げていきました。

長い道のりの中では、国の施策により工事会社が統一され、会社経営を一時中断する時期もありました。その間は、笹嶋佐久馬が現在の「北陸電気工事株式会社」の工務部長を任され、管理や施工の技術を磨かせていただきました。その後、終戦による環境の変化により再び会社経営をスタートすることとなり、昭和47年に法人化し「笹嶋工業株式会社」として組織を改め、電気工事、土木工事を柱に大正、昭和、平成と三つの元号の時代を亘り、社会資本の整備に取り組んできました。
そして平成30年、弊社は創業100周年を迎えました。

あるデータ会社の資料によると、企業の生存率は創業100年では0.6％と言われています。この度、弊社は１％も満たない確率の中で企業として100年間、存続することができました。存続の理由として様々な要因があるとは思いますが、その中でも私自身、特に三つのことに感謝をしています。

先ずは「仕事」です。先人が選んでくれた仕事、電気や土木のライフラインを守る重要な「仕事」であったことに感謝します。

次に弊社は多くの「人」に恵まれました。年代と業種を越えたお客様、協力会社の皆様、そして弊社の社員にご縁をいただき、支えてもらえたことに感謝します。

最後は「地域」です。事業を始めた旧東石黒村は、旧福野町となり現在の南砺市になりました。この南砺市には「忍耐強さ」や「温かさ」そして「絆を大切にする」土地柄がありました。この地域で起業できたこと、育てていただいたことに感謝します。

この三つの要因が、時代の波を乗り越え、新しいものに挑戦する「力」を与えてくれました。人間、１人では100年を働くこと、仕事を繋ぐことはできません。しかし弊社は、時代毎に大切なお客様、協力会社の皆様、そして社員が仕事を通じて絆を深め、「技術」と「信頼」の襷を100年経った現在に繋いでくれました。支えていただいた全ての皆様に心より感謝を申し上げます。

これから次の100年への歩みが始まります。時代と共に変化していく社会に柔軟に対応し、引き続きライフラインを守り社会貢献できる会社、そして地域の子供に魅力を持ってもらえる元気な会社を目指し、仕事に取り組んでまいります。創業からの経営理念である「感謝と人間尊重」を大切に、社員一丸となり努力を積み重ねていきますので、今後とも皆様のご理解とご協力を宜しくお願いいたします。